外壁塗装は、塗装の色で家のイメージが決まってしまうので、仕上がりの色は重要です。
しかし、イメージした色と、実際に仕上がった外壁の色が違うこともあります。
その理由の1つに、色見本が実際の仕上がりと違うということがあります。
ここでは、色選びのポイントや、注意点についても解説します。
□色見本が実際の仕上がりと異なる理由について
色見本と、実際の外壁塗装の仕上がりの色が違うのは、面積効果によるものです。
面積効果というのは同じ色でも面積が大きくなるほど、彩度と明度がアップして見えることを指します。
つまり、明るい色は面積が大きくなるとさらに明るくなり、暗い色はさらに暗くなるということです。
この面積効果のために、小さい色見本で見た色が、大きな面積になると派手な色になってしまうのです。
色には面積効果があることを知っておかないと、実際に仕上がってから、「こんなに派手な色とは思わなかった」「ずいぶん濃いな」ということになりかねません。
また、色見本の色は、室内で見るのと室外で見るのとでは、イメージが変わります。
室内の蛍光灯の下で見ると、白い色が青みがかって見える傾向があり、室外の太陽光の下で見る色とは違います。
しかも、室外でも日なたと日陰では違って見えたり、快晴か曇りかでも少し違って見えてしまいます。
このように、面積効果以外にも色が変わって見える場合があるので、色見本を見るなら、晴れた日に屋外で見ることをおすすめします。
外壁は太陽光の下で見るものですから、その色見本も同じように太陽の下で見ないと、違って見えてしまうのは当然のことかもしれません。
□色選びのポイントについて
外壁塗装を失敗しないために、色選びのポイントをご紹介します。
外壁塗装は、10年に1度くらいしか行わないので、色選びに失敗すると10年もの長い間、気に入らない外壁の家に住むことになります。
まず、外壁の色を選ぶ前に、近隣の家の写真を撮り、自分の家を近隣と調和させるのか目立たせるのか決めましょう。
目立たせる場合は、周囲との調和を乱すなどの理由で近隣の反発も予想されるので十分考慮する必要があります。
さらに、家族と一緒にどんな色にするか、話し合うことも大切です。
家は家族みんなで住むのですから、家族全員の意見を聞いたうえで色を決めることが大切です。
外壁の色が決まったら、その色をできるだけ大きなサイズで見て、本当にその色でいいか最終判断をしましょう。
色を判断する場合は、太陽光の下で朝昼夜に、それぞれ色を確認して問題ないかチェックします。
その上で、選んだ色を試し塗りしてみることが大切です。
□色選びの注意点について
色を選ぶ際の注意点について解説します。
*大きな色見本を使う
前述しましたように、色には面積効果があります。
そのため、できるだけ大きな色見本を見て色を決めないと、実際に仕上がった外壁は、思った通りの色になりません。
外壁に塗る塗料を選ぶ際は、塗料ごとに用意された色見本を見て決めますが、面積効果を考慮して選ぶのが、色選びを成功させるコツとなります。
*ツヤ感
外壁の色は、ツヤ感も大切です。
ツヤ感には、ツヤありとツヤ消しがありますが、どちらにするかで外壁の印象が大きく変わります。
ツヤありは派手で明るい印象になり、ツヤ消しはシックで落ち着いた印象になります。
ツヤありとツヤなしは、どちらが優れているというのではなく、選ぶ人の好みの問題と言えるでしょう。
ただし、好みの問題だから、どちらでも好きに選んでいいかというと、場合によってはそうはいかないこともあります。
外壁の色を決めるには、周囲の景観を考慮しなければならない場合もあるからです。
たとえば、周囲の家がすべてツヤ消しなのに、1軒だけツヤありで派手な外観になると、浮いてしまうので注意しなければなりません。
*カラーシミュレーションの盲点
外壁の色を決めるのに、カラーシミュレーションが可能なソフトを使う方法があります。
このソフトは、自分の家に好きな色を着せて試せるものです。
コンピュータ上でソフトを起動させれば、いろんな色のパターンを試せるので、色選びのツールとして非常に有効です。
ただし、このソフトを使う場合には、注意すべき点があります。
このソフトを使って色を見るには、パソコン画面やプリンターを使うことになります。
しかし、パソコン画面は設定によって少し色味が変わり、プリンターで印刷する場合は、紙質によっても色が変わります。
そのため、カラーシミュレーションだけで、色を判断するのはリスクがあるため、あくまでも補助的なツールとして使うようにしましょう。
□まとめ
外壁塗装は、仕上がりの色が重要になりますが、イメージした色と違う場合がよくあります。
それは、小さな色見本で色を見たために、面積効果によって外壁との色の差が出るからです。
外壁の色をイメージどおりにするには、なるべく大きな色見本を使うことが大切です。
外壁の色を選ぶ際は、家族の意見を尊重しましょう。